いつ弁護士に相談すべきなのでしょうか?どのような場合に弁護士に相談をすべきなのでしょうか?
このページをご覧になられているということは、離婚やご家族の問題について、弁護士に相談すべきかどうか悩んでおられるのではないかと思います。
弁護士の立場からすると「どのようなお悩みでも、まずは一度、ご相談ください」と考えておりますが、なかなか敷居が高いと感じられる方もいらっしゃるとおみます。
そこで、まず、ここでは、いつ、どのような場合に弁護士に相談したほうが良いか、これまで多くのご相談を受けてきた弁護士の立場からお話をさせて頂きます。以下の中から気になるものをお選びください。
どのタイミングで弁護士に相談に行ったらよいでしょうか?
弁護士への相談は、早ければ早いほどよいと考えています。
弁護士への相談を検討されるということは、何か心配されていることや迷われていることがあるのだと思います。その心配事や迷い事をご相談いただければと思います。すぐに解決できる場合とそうでない場合がありますが、何らかの方向性はお話しさせて頂くことができます。
さらに、よくある質問にお答えしていきます。
① 弁護士に相談をすると高額なお金がかかるのではないでしょうか
「弁護士に相談をすると高額なお金がかかるのではないか」と心配される方もいらっしゃると思いますが、初回のお問合せ・相談は無料としている事務所も多くあります。弁護士は、ご相談の内容をお伺いして、今後、想定される弁護士費用や手続きに要する費用をご説明させていただきます。弁護士への相談を続けるか、依頼をするかは、この費用に関する説明を聞いてからご検討ください。一度相談をしたから依頼をしなければならないということはありません。
また、ご収入や資産の状況によっては、日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助制度(無料相談・弁護士費用の分割払いなどの制度。)を利用できる場合があります。弁護士は、必要に応じ、制度の説明をしなければならないことになっています。
② 離婚をするかどうかまだ決断をしていないので、相談は離婚を決断してからでいいと思っています
「離婚をするかどうか迷っている」という方もおられると思います。このような方も、まずはご相談いただければと思います。離婚をした場合に生活がどのように変わるのか、説明をさせて頂くことが可能です。離婚に向けて動き出すか、説明を受けてからお考え下さい。「弁護士に相談をしたら、無理矢理にでも離婚をする方向に話を持って行かれるのではないか。」と心配される方もいらっしゃると思いますが、少なくとも当事務所ではそのようなことはありません。離婚にはメリットもデメリットも存在します。何でも離婚をすればよいと考えている訳ではありません。ご相談者様の状況やご要望に応じ、適切と思われる方針をご説明させて頂きます。
③ 今は配偶者と同居中なので、相談するタイミングではないと思っています
「今は配偶者と同居中なので、相談をしても意味はない」と考える方もおられるかもしれません。しかし、別居前でも弁護士に相談する意味はあります。別居をするメリット、デメリットの説明や、別居をする際に気を付けた方がよいことなどをアドバイスすることができます。別居後の生活費の問題や子どもを連れて別居するべきかどうかなど、別居の際には難しい問題も発生しますので、別居前の準備をするという意味でも弁護士へのご相談をお勧めします。また、一般的に「同居中の方が、今後の手続きに必要な証拠を集めやすい」といえます。別居前にどのような証拠を収集すべきか、今後の手続を見据え、アドバイスをさせて頂くことが可能です。
④ どの弁護士に相談をしていいのかわかりません
「どの弁護士に頼むのがよいかわからない」という悩みを持たれる方も多いと思います。これは、弁護士の側としても、回答が難しい問題です。一つの回答として「まず、一度相談をしてみて、その弁護士と相性が良いか、話しやすいか、考えて頂く。相性が良ければその弁護士への相談、依頼を続け、相性が悪い場合は別の弁護士に相談をする。」という方法はいかがでしょうか。依頼者と弁護士の相性はとても重要です。初回の相談では、まず「相性が合うか」という視点で相談をされてみてはいかがでしょうか。先ほども書きましたが、「一度相談をしたらその弁護士に頼まなければならない」ということはありません。ご自身に合う弁護士を探していただければと思います。
⑤ まず、自分で動いてみて、うまくいかなかったら弁護士に相談をしたいと考えています
「まず、自分で動いてみて、うまくいかなければ弁護士に相談をすればよい」とお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、「まず、自分で動く」ということはお勧めできません。事件の途中で弁護士に相談をされても「もう修正することができない」「修正することはできなくはないが、余計な時間や費用が掛かってしまう」というケースは多くあります。方針を間違えないようにするだけではなく、かかる時間や費用を少なくするためにも、なるべく早いうちから弁護士に相談をしておくことをお勧めします。
⑥ 弁護士に相談に行く暇がありません
「弁護士に相談をする時間がない」という方もいらっしゃると思います。しかし、(これは離婚に限りませんが)問題は放置すればするほど、解決にかかる時間も増えていくことが多いです。問題を先延ばしにした結果、解決のために多大な時間(や費用)が掛かるということになりかねません。様々な事情はあると思いますが、夜間・休日の相談や電話相談、ウェブ相談などに対応している弁護士も多くおりますので、何とか時間をつくってご相談いただければと考えております。
- 弁護士へのご相談を悩まれているのであれば、できるだけ早く、ご相談されることをお勧めします。
- ご相談者様の状況に応じて、何らかのアドバイスをさせて頂くことができます。「このようなことを相談してよいのか」と悩まれる必要はありません。
離婚事件を弁護士に依頼することのメリットは何なのでしょうか?
離婚の交渉や調停は「話し合い」です。『「話し合い」であれば、特別、法律の知識はいらない。弁護士に依頼をするのは離婚訴訟となってからでよい。』と考えられる方もいらっしゃるのではないかと思います。実際に、家庭裁判所の手続きのうち、離婚訴訟などの人事訴訟については弁護士選任率が98%程度である一方、夫婦関係調整調停(離婚調停・円満調停)については、弁護士選任率は(年々増加傾向にはありますが)50%程度となっています。それでは、離婚の交渉や調停の段階から弁護士に依頼をするのは「お金の無駄」なのでしょうか。
一般に、離婚の交渉や調停を弁護士に依頼することのメリットには、以下のようなものがあります。
以下、詳しく説明します。
① 弁護士の持つ知識・経験を活かして対応をすることができる
離婚を考える際には、「離婚をするかしないか」を考えるのみではなく、子どものこと、お金のこと、住む場所のこと、氏のこと、各種手続き等々、様々なことを考えなければなりません。これら全てを自分の力で考えることはかなり大変です。考えている中でどうすればよいか分からないことも出てくるかもしれません。弁護士は、これらの考える作業をお手伝いでき、また、「こうすればよいのではないか」とアドバイスをすることもできます。
最近は、離婚に関する情報が記載されたウェブサイトが多数つくられています。しかし、これらの情報は誤っている場合もありますし、情報は正しいがその情報に当てはまる事案が限定されるというものもあります。これらの見極めは、法律の専門家でなければ、難しいものです。法律の解釈や裁判所の運用は、専門家でなければわからない点が多くあるものです。
また、「家庭裁判所の調停を利用する場合、調停委員が正確な法律知識を教えてくれるのではないか」と考えている方もいらっしゃると思います。しかしながら、家庭裁判所の調停委員は、通常、法律の専門家ではありません。調停委員の言葉が全て正しいとは限りません。わざとうそをつくようなことはしないでしょうが、不正確なアドバイスがあり得ないとは言えません。離婚手続きにおいては、法律の知識がないことにより、損をする場面が意外とあります。弁護士には、「知らないことによる損をさせない」役割もあります。
弁護士に相談・依頼をすることにより、様々な問題点を整理していくことができますし、正確な情報を踏まえて検討をすることができますので、安心して手続きを進めていくことができます。
② 弁護士が相手方(やその関係者)との交渉の窓口となる
「相手が攻撃的である」「相手が感情的になって話し合いにならない」「暴力を振るわれる」等々、離婚の話し合いがうまくいかないケースは数多くあります。これらのケースを自分一人で対応するのは大変なことです。このようなケースで弁護士がついていれば、相手方への対応を弁護士に任せることができます。弁護士が介入した時点で、まず、相手方に対し、弁護士が窓口になることを通知させていただきます。
また、弁護士が窓口になることで「知識がないこと等により、だまされる」、「損な合意をさせられる」、「意味のない書類を作成してしまう」ということを防止することができます。
このように、弁護士に交渉の窓口を任せることにより、離婚などの手続きの心理的なご負担を減らすことができます。また、相手方とのやり取りに時間をかける必要がなくなりますので、体力的なご負担も減らすことができます。
③ 弁護士に裁判所対応を任せることができる
家庭裁判所で調停を申し立てる際には、様々な書類の作成や書類の収集を求められます。家庭裁判所からの連絡にも対応をしなければなりません。調停の際に「宿題」を課されることもあります。これらの家庭裁判所との対応は、慣れていない方にとっては、大変なことも多いかと思います。最近は、裁判所の側もできるだけ簡単な言葉で説明しようと努力をされていますが、裁判所は法律にしたがって手続きを勧めなければなりませんので、どうしても、専門的な用語を使うしかない場面もあります。
また、裁判所は当事者を平等に扱わなければなりませんから「一方のためだけに丁寧に説明をする」ということはありません。時々、「一方が弁護士に依頼をしてもう一方が本人の場合、裁判所は、本人の見方をしてくれる」といったインターネット上の書き込みを見ることがありますが、裁判所がそのような配慮をすることはありません。
弁護士にご依頼いただければ、裁判所対応は、全て弁護士が行うこととなります。書類の作成や電話連絡なども、全て弁護士が行います。ご本人で取得する必要のある書類は、適宜、その取得方法を弁護士から説明をさせて頂きます。弁護士に依頼をすることで、手続面のご負担も軽くなります。
また、調停の中では、調停委員から様々なことについて説明を求められます。「自分自身のことを説明するだけだから簡単なのではないか」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、裁判所という特殊な場で、初対面の調停委員に、時間の制限のある中で、言いたいことを十分に伝えるのは相当難しいものです。弁護士にご依頼いただければ、弁護士が調停に同席し、必要なサポートをさせて頂きます。
以上のとおり、弁護士に依頼をすることで、心理的にも、手続的にも負担を減らすことができます。離婚などの手続きは、かなり負担がかかるものです。弁護士に依頼をすることで、その負担を減らすことができます。これが、弁護士に依頼をする一番のメリットなのではないかと思います。
弁護士に相談をした方が良いのはどのようなケースですか?
弁護士の立場からすると、どのようなケースでも、一度は弁護士にご相談いただいた方が良いと思います。簡単と思われるようなケースでも、専門家の目線で見れば解決しなければならない課題があることもあります。ぜひ、一度、弁護士にご相談ください。当事務所では初回の相談は無料です。まず、弁護士と話をされてから、依頼されるかどうかを決められるとよいと思います。依頼を強制するようなことはありません。
とはいえ、これでは答えになりませんので、以下、弁護士に依頼すべきケースをお話しさせていただきます。
① 離婚をするかどうかについて争いがあるケース
そもそも離婚をするかどうかについて合意のないケースは、最終的には、離婚の訴訟に進む可能性が高くなります。最終的に訴訟になり、判決になることを見据えて活動する必要があります。訴訟の見通しを予測することは、訴訟に慣れている弁護士でなければ難しいものです。
② 当事者(や関係者)だけでは話し合いにならないケース
当事者間で話し合いにならない場合、話し合いを先に進めるためには第三者による介入が必要です。このようなケースでご親族やご友人が第三者として介入をしても、紛争の解決は難しいものです。弁護士が介入し、話し合いによる調整を続けるべきか、家庭裁判所の手続に進むべきか検討し、紛争の解決に向けて適切な方法を選択することが重要です。
③ DV・モラハラなどが問題となるケース
DV(ドメスティック・バイオレンス)やモラルハラスメント(モラハラ)が問題となるケースでは、まず、自分自身の身を守ることが重要です。ご自身の身を守り、手続きを進めるためにどのような方法があるか、弁護士がアドバイスをし、サポートします。
なお、DV・モラハラの被害者は女性だけではありません。男性の方が被害者となるケースもあり得ます。南池袋法律事務所では、男性・女性を問わず、ご相談をお受けしております。
④ 親権が争いになるケース(子の引き渡しが問題になるケースを含む。)
家庭裁判所の離婚調停で親権が争われる場合、家庭裁判所調査官の調査が行われるなど、手続きが複雑になりがちです。これらの手続をご本人のみで対応されるのは大変です。
また、子の引き渡しや離婚成立までの監護権者が問題となるケースでは、必要なときに必要な手続きを申し立てなければ、権利を実現することが困難になります。これらの手続も、弁護士のサポートなしで対応するのは困難でしょう。
⑤ 離婚調停を申し立てた方、申し立てられた方、あるいは離婚訴訟の原告となった方、被告になった方
家庭裁判所への対応は一般の方には難しいものです。家庭裁判所は、一方の当事者の味方はしません。手続きに不備があっても、基本的には助けてくれません。専門家である弁護士のサポートがあれば、手続きを安心して進めることができます。
⑥ 離婚に伴って財産の分与が発生するケース(特に分与する財産が多数・複雑なケース)
離婚に伴う財産分与が争いとなる場合、資料を収集し、その資料を整理し、財産が財産分与の対象となるかを見極め、(調停・訴訟の場合は)適切に裁判所に伝え、適切に分与を行い、分与後に必要な手続きを行う、ことが必要になります。これらを、ご本人のみで行うのは難しいでしょうし、事案によっては、不動産を取得したのに登記を移転することができない、相手方が約束を守らないときの強制執行をすることができない、予想外の税金が発生したなど、思わぬ不利益を被ることもあり得ます。
⑦ 不倫・暴力などによる慰謝料の支払いが問題となるケース
慰謝料の支払いを求める/求められるケースでは、証拠が重要な意味を持ちます。裁判所がどのような証拠を重視するかは、弁護士でなければ判断は難しいものです。
また、慰謝料などの額についても、一般の方にはどの程度の額が適切なのか、判断が難しいところです。弁護士が事案や証拠を見つつ、ご依頼者が損をしないよう、サポートします。
相手方(代理人)/裁判所から通知が届きました。無視してもよいのでしょうか?
いずれの場合も、無視は危険です。適切な対応をしなければなりません。
相手方や相手方の代理人からの通知については、放置をしたというだけでは不利益にはなりません。しかしながら、放置をすることにより、相手方が、家庭裁判所での調停など、次のステップに進む可能性があります。事案によっては、仮処分・仮差押えなど、強硬手段をとることもあり得ます。放置をし続けることで、今後、不利益が発生することが予想されますので、適切な時期に、適切な対応をとることが必要です。
なお、相手方や相手方の代理人が「回答期限」を設定することがあります。ただし、相手方や相手方の代理人による回答期限は、相手方や相手方の代理人が勝手に設定をしているだけですので、これを過ぎたからといって直ちに不利益を受けるということはありません。裁判所が設定をする回答期限とは異なります。
時々、回答期限がかなり短く設定されていて、これに焦ってしまい、十分に検討することなく回答をしてしまう方がいらっしゃいますが、これは危険です。まずは、落ち着いて、弁護士のアドバイスを受けるようにして下さい。もちろん、弁護士への問い合わせは、できる限り早い方が好ましいですので、お早めにご連絡を頂けると助かります。
裁判所からの通知については、無視をしていると不利益を受けます。事案によっては、給料や財産の差押えを受けるなどの不利益を受ける可能性もあります。また、離婚訴訟や慰謝料請求訴訟などでは、無視を続けると、相手方の言い分が全て認められることもあり、こちらにとって必要以上に不利益な判決を受けることにもなりかねません。裁判所からの通知を無視することは、絶対にしないでください。回答期限までに、必要な対応をしなければなりません。
裁判所からの通知を受け取られたら、できるだけ早く、弁護士にご相談されることをお勧めします。
- 相手方(代理人)や裁判所から通知が来た場合、無視は危険です。適切な対応をしなければなりません。
- 徳に裁判所からの通知は、放置をしていると財産の差押えを受けるなどの不利益につながることがありますので、注意が必要です。
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