時効援用とは
1.時効援用とは
債務整理の手続きの中で、「消滅時効の援用」というものがあります。債権者に対して借金の時効を主張し、借金をゼロにできる手続きです。
2.時効援用で借金がゼロに?
「時効」とは、一定期間返済されない場合に、その借金を消滅させる仕組みです。消滅時効の援用を債権者に主張しなければ、借金は自動的に消滅しません。
- 5年または10年の未返済が条件
- 援用しないと時効が成立しない
3.時効が無効になっている場合も
時効の完成猶予や更新がある場合、時効が無効になることがあります。
- 裁判上の請求:裁判があれば時効は延長されます。
- 承認:借金の存在を認めると時効が更新されます。
4.裁判上の請求
裁判が起こされると、時効が一時停止します。判決が出ると、時効期間がリセットされ、また10年間待たなければなりません。
5.承認
借金を認める行為(「払います」の一言でも)があると、時効が更新されます。1円でも支払いをしてしまうと、時効は無効になります。
6.債務承認の落とし穴
債権者や債権者の債権の回収を行っている債権回収業者は、債務者の時効の更新をさせようとすることがあります。例えば「今回は千円だけでもお支払いいただければ、その後の返済については改めてご連絡いたします」といった提案に注意してください。
その場しのぎとして千円の支払いをしてしまうと、債務承認となり、時効は更新されてしまいます。極端な話、1円でも支払いを行ってしまうと、時効は無効になってしまうのです。
7.最後に
消滅時効の援用手続きは、お客様の借金が時効にかかっているのであれば、確実にメリットのある手続きです。しかし、お客様によっては、意識しない間に判決を取られていたり、債務の承認をしてしまっている場合もあり、ご自身で判断がつかないことも多いです。
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