労働問題について法律相談をする場合、どのような証拠を収集すればよいのでしょうか?
労働事件について弁護士に相談をする場合、どのような資料を証拠として集めればよいのでしょうか。集めるべき証拠は事案によって異なるため、まずは、弁護士に相談をされ、弁護士の指示に応じて証拠を収集していただくことが良いかと思います。ただし、事前に証拠の収集がある程度できていれば相談がスムーズに進みます。ここでは、「このような資料があれば相談をスムーズに進められる」という資料について、一般的なお話をさせて頂きます。
どのようなご相談でも収集していただきたい証拠・・・労働契約の内容がわかる資料
労働問題のご相談を受けるにあたり、まず、最初に確認しなければならないのは、ご相談者と会社との間でどのような契約が結ばれているかという点です。期限の定めのない労働契約なのか、期限の定めのある労働契約なのか、賃金についての定めはどのようになっているのかなどは、どのような相談であっても必ず確認をすることが必要になります。具体的にお持ちいただきたい資料は、以下のとおりです。特に労働契約書や労働条件通知書は、可能な限り、ご準備いただけるとその後の相談がスムーズになります。
- 労働契約書・労働条件通知書
- 就業規則・賃金規定などの規定
- 給与明細書
- 会社のパンフレット、組織図、ウェブサイトのコピーなど、会社の組織の状況がわかるもの
初回のご相談では、上記の資料を参考にしつつ、ご相談者と会社との間でどのような契約が成立しているか、ご相談者の会社における地位はどのようになっているか、給与の体系はどうなっているかなどの情報を、まず、最初に把握させて頂くことになります。
解雇に関するご相談の場合
解雇に関するご相談をされる場合には、既に受け取っておられる場合は「解雇通知書」と「解雇理由証明書」をお持ちください。特に「解雇理由証明書」は、会社側が、どのような理由でご相談者を解雇したのかを把握するために重要な書類となります。会社は、解雇をした(元)従業員から請求があった場合には、「解雇理由証明書」を発行しなければならない決まりになっています(労働基準法22条)ので、まずはこれを請求し、取得していただくことが重要です。
以上の他、解雇に至る経緯を時系列順にメモを作成していただけると助かります。また、その解雇に至る経緯の中でメール、チャットなどのやり取りや話し合いの録音などもあればお持ちいただけると参考となります。関係しそうな書類などは、全てお持ちいただけると助かります。
なお、解雇を争う場合、一度会社から離れてしまうと。会社内に残っている資料の収集が難しくなります。可能な限り、会社を離れる前に証拠を収集したり、持ち出せない資料はコピーをする、写真に撮るなどの方法により保全をしておいていただけると、今後の手続で役に立つことがあります。
残業代請求に関するご相談の場合
残業代を請求する場合、労働契約や賃金に関する資料を収集する他、残業があった事実を証明する資料の収取が重要となります。典型的な証拠はタイムカードです。タイムカード(のコピーや写真など)が手に入る場合は、必ず、取得し、保管をしておいてください。その他、日報やパソコンのログインの記録、メールの送信記録なども残業があった事実を証明する証拠となる場合があります。
労働契約や賃金に関する資料は、残業代請求以外の場面でも必要になりますが、特に残業代請求の場面では給与の算定方法、内訳、手当の有無、始業時刻、終業時刻、休憩時間、休日などの情報が必須となります。そのため、労働契約書や賃金規定などの資料は、可能な限り収集していただくようお願いします。
なお、タイムカードなどの証拠の収集が難しく、会社側が任意に開示をしない場合には、裁判所を通じ、証拠保全の手続を利用することも考えられます。一度、弁護士にご相談ください。
ハラスメントに関するご相談の場合
ハラスメントのご相談については、そのハラスメントがあった事実を把握できる証拠が重要となります。ハラスメントに関する損害賠償請求などを検討する際には、いつ、だれがだれに対し、どのような場面で、どのようなことをしたのか、特定することが必要で、それを裏付ける証拠を収集することになります。録音、録画、メールやチャットなどのやり取りが残っていれば、それらの証拠を集め、保存しておいてください。同僚や関係者の証言や日記、メモなども証拠となります。会社にハラスメントの相談窓口が設置されている場合などは、その窓口への相談記録も証拠となりますので、会社に開示を求めることも考えられます。
また、ハラスメントによる被害や損害を証明する証拠として、病院に通院した際の診断書、医療記録、治療費の領収証、怪我などをした場合には怪我の写真などがあります。
会社からの損害賠償請求に関するご相談の場合
会社から損害賠償請求をされている場合、その請求書や請求の理由が記載された書面を会社から受け取っている場合は、これをお持ちください。また、会社の主張に反する事実を証明できる証拠がある場合は、その証拠の保全も重要です。
なお、労働者側の同意がないにもかかわらず、損害金を、勝手に、給与から差し引くことは違法です。給与からの天引きが行われている場合には、天引きされたことがわかる給与明細などをお持ちいただくことになります。
フリーランスの方のご相談の場合
フリーランスの方からのご相談については、まずは、ご相談者様と委託先がどのような契約を結んでいるかを把握することが重要です。契約書や仕様書などの書類がある場合は、その書類をご準備ください。メールやラインなどのやり取りで仕事内容が決まっている場合は、そのメールやラインも確保しておいてください。口頭での合意の場合は、どのような約束があったのか、口頭で説明するようにして下さい。
その他には、金銭のトラブルであれば請求書など、そのトラブルに関係しそうな書類やメールなどは全てお持ちいただくよう、お願いします。
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