「強制執行」とはどのような手続きなのでしょうか?

 家庭裁判所の調停、審判、判決で婚姻費用・養育費等が定まっている場合、公証人役場で公正証書を作成している場合、通常は、強制執行等の手続きを検討することになります。

 なお、裁判所や公証人の関与なしに婚姻費用・養育費等の合意をしている場合、強制執行をするためには、まず、家庭裁判所の審判等の手続きを経る必要があります。弁護士、司法書士、行政書士などの専門家が合意書作成などに関与したというだけでは強制執行をすることはできませんので、ご注意ください。

 婚姻費用・養育費等の支払確保について、裁判所はいくつかの制度を用意しています。強制執行以外にも手続もありますので、これらについてもここでご紹介します。

履行勧告

 家庭裁判所の調停・審判などで決まった内容を相手方が守らない場合に、家庭裁判所から、相手方に対して、その内容を守るよう、説得・勧告をする制度です。要は、「家庭裁判所の名前で、「約束を守りなさい」という通知を出してくれる」という手続きです。なお、公正証書で取り決めたものについては、この制度を利用することはできません。

 制度の利用に費用がかからず、手続きも簡単ではありますが、相手方に支払いを強制することはできません。相手方がこの履行勧告を守らない場合もペナルティはありません。あくまで、家庭裁判所から「支払いに応じなさい/約束を守りなさい」などと言ってもらえるというだけの制度ということになります。

  • 家庭裁判所で決まった内容を相手方が守らない場合に、家庭裁判所からそれを守るよう、説得・勧告をする制度がある。
  • この制度を利用したとしても相手方に対する強制力はないことに注意が必要。

強制執行

 裁判所が、支払いをしない相手方の財産を差し押さえ、その中から強制的に支払いをさせる制度です。差し押さえる財産は様々なものが考えられますが、預貯金・不動産・自動車などの財産を差し押さえることもあれば、相手方が受け取っている給料・報酬などを差し押さえることもあります。

 相手方のどの財産を差し押さえるかは、強制執行を申し立てる側が決めなければなりません。強制執行を申し立てる側が、財産(債権を含む。)を特定して強制執行の申立をする必要があるという制度となっています。そのため、強制執行の手続を行う前に、まず、相手方にどのような財産・収入があるか、把握をしておく必要があります。相手方が、自宅などのわかりやすい財産を持っている、公務員・大企業など安定した職に就いているといったケースでは差し押さえは比較的容易ですが、実際には、職を転々としている、差し押さえ可能な財産がないといったケースも多くあります。強制執行にまで至るケースは、相手方にわかりやすい財産がないケースや逃げ回っているケースも多いです。財産の所在が分からないケースでは、次の「財産開示手続」などを検討することになります。

 強制執行の手続は、地方裁判所で行います。家庭裁判所ではありませんので、ご注意ください。通常、相手方の住所地を管轄する地方裁判所で手続きを行います。手続きは、申立書などの必要な資料を地方裁判所の窓口に提出するか、郵送するかによって行います。書式は地方裁判所のウェブサイトに掲載されているものもあります。

  • 「強制執行」は、地方裁判所が、相手方の財産を強制的に差押え、支払いなどを強制する制度である。
  • 差し押さえる相手方の財産や給与などの特定は、強制執行の申立てをする側でしなければならない。

財産開示手続・第三者からの情報取得手続

 「財産開示手続」は、債権者(支払いを受ける側)からの申立により、地方裁判所が、債務者(支払う義務を負っている側)を地方裁判所に呼び出し、財産の内容を明らかにするよう、命令する手続きです。この手続きも家庭裁判所ではなく地方裁判所の手続ですので、お間違えの内容、ご注意ください。債務者が地方裁判所からの呼び出しに応じない場合や財産の内容を明らかにしない場合には、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられます。最近、実際に罰金などの処分がなされるケースが出てきており、「使うことのできる」制度となっています。財産開示手続を行うために必要な書式などは、地方裁判所のホームページをご覧ください。

 また、財産開示手続を利用しても債務者の勤務先がわからなかったとき、財産の所在が分からなかったときなどに、裁判所が公的機関や銀行などから債務者の情報を取得する「第三者からの情報取得手続」という制度もあります。この制度は、債権者の申立てに基づき、地方裁判所が、債権者が選択した市区町村や日本年金機構などに対し、債務者の勤務先に関する情報の提供を命じる制度です。こちらの手続も地方裁判所で行います。書式などは、地方裁判所のホームページをご覧ください。

 債権者の財産や収入の状況がわからない場合、これらの制度を利用し、債務者の財産・収入などを把握したうえで、強制執行を行うこととなります。

  • 「財産開示手続」は、地方裁判所が債務者を裁判所に呼び出し、財産の内容を明らかにするよう、命令する手続きである。地方裁判所の命令に従わない場合、罰則を受ける可能性がある。
  • 財産開示手続を利用してもなお債務者の財産などの情報がわからなかったときには、公的機関などに情報の提供を求める「第三者からの情報取得手続」を利用することができる場合もある。

強制執行がうまくいかない場合

 以上のような手続きは用意されてはいるのですが、相手方が無職で財産もないような場合は、差し押さえる財産・収入がなく、強制執行をすることができない/強制執行を行っても回収することができないということもあり得ます。残念ながら、現在の制度では、強制執行ができない場合に養育費などの支払いを確保する制度はありません。

 なお、各市区町村で養育費の支払い確保に関する制度を独自に用意している場合がありますので、各市町村の子ども関係の窓口への相談をお勧めします。

 相手方からの支払を受けることが難しいケースでは、どのように生活費などを確保するか、検討をしなければなりません。行政の制度をうまく使うことを検討していくことなども重要です。

  • 強制執行の制度を利用するためには、養育費などの合意をする際に、裁判所の手続を利用するか、公正証書を作成するか、しておかなければならない。
  • 相手方に財産・収入などが一切ない場合は、強制執行を利用したとしても、どうすることもできない場合がある。

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