配偶者が財産を隠していると思われるときの対処方法

目次
  1. 1. はじめに
  2. 2. 財産隠匿の疑いがある場合の基本的な考え方
  3. 3. 相手の財産を調査するための法的手続き
  4. 4. 手続きの一般的な流れ
  5. 5. 調査申立ての要件と注意点
  6. 6. 財産調査に必要となる主な書類
  7. 7. 財産の存在を示す証拠となる資料
  8. 8. まとめ

1. はじめに

離婚や別居、財産分与の場面において、配偶者が財産を隠しているのではないかと疑われることは珍しくありません。

財産分与は婚姻中に築いた財産を公平に分け合う制度であるため、一方が財産を隠してしまうと著しい不公平が生じます。

この記事では、配偶者が財産を隠している可能性があるときに取るべき対応方法について、法的手続きや注意点を詳しく解説します。

2. 財産隠匿の疑いがある場合の基本的な考え方

相手方が誠実に財産を開示しない場合には、裁判所を通じた法的調査制度を活用することが重要です。

調査は主に、財産分与を目的とする調停・審判・訴訟の場面で行われます。

調停等の手続きの中で、裁判所を介して相手の財産を明らかにしていくことになります。

3. 相手の財産を調査するための法的手続き

相手方の隠し財産を調査するための主な法的手続きには、以下の2つがあります。

(1) 弁護士会照会(弁護士法23条の2)

弁護士が所属する弁護士会を通じて、金融機関などに照会をかける手続きです。

弁護士に依頼する必要がありますが、相手の財産情報を得るための有効な手段です。

(2) 調査嘱託制度

家庭裁判所や地方裁判所が、官公庁・金融機関などに対して調査を依頼する制度です(家事事件手続法62条・258条1項、民事訴訟法186条)。

裁判所の関与によって情報開示が促されるため、一定の証拠があれば強力な手段となります。

4. 手続きの一般的な流れ

隠し財産が疑われる場合、調査の流れは以下のとおりです。

ステップ1 任意の開示請求

相手に対して、証拠を提示しながら任意の財産開示を求めます。

ここで相手が応じれば調停を有利に進めることができます。

ステップ2 法的手続きの利用

相手が任意の開示に応じない場合、弁護士会照会や調査嘱託を家庭裁判所に申し立てます。

申立てには正当な理由調査対象の具体性が求められます。

5. 調査申立ての要件と注意点

調査対象の特定:金融機関名、支店名など、具体的な情報が必要です。
•	申立て理由の明示:申立書には、相手が財産を隠していると考える根拠を明記する必要があります。
•	情報開示の限界:名義人本人の同意が必要な金融機関もあり、照会が無効になる場合もあります。
裁判所が調査嘱託を認めるには、一定の資料により隠し財産の存在が疑われる必要があります。
十分な準備と裏付け資料の提出が重要です。

6. 財産調査に必要となる主な書類

書類名用途
財産分与調停申立書家庭裁判所に提出する基本書類
調査申立書弁護士会照会・調査嘱託の申立てに使用
戸籍謄本・附票相手の身元確認、住所調査
不動産登記事項証明書相手が不動産を所有しているかの確認
商業登記事項証明書相手が法人を所有または経営している場合

7. 財産の存在を示す証拠となる資料

金融資産に関する証拠預貯金通帳
•	金融機関名や支店名が記載された書類やメモ
収入に関する証拠源泉徴収票
•	確定申告書の写し
不動産に関する証拠
•	不動産登記事項証明書
これらの資料を単独ではなく、複数組み合わせて提出することで、隠し財産の存在をより強く推認させることができます。

8. まとめ

配偶者が財産を隠していると疑われる場合、任意の開示請求から始め、必要に応じて弁護士会照会調査嘱託といった法的手段を講じることが大切です。

そのためには、調査対象を具体的に特定し、申立て理由や裏付け資料を丁寧に整える必要があります。

隠し財産の存在を直接証明するのは難しいため、断片的な証拠を積み重ねて主張を組み立てていくことが重要です。

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