自己破産の「同時廃止」と「管財事件」の違いについて

📘 目次
- ✅ 1. はじめに
- ✅ 2. 自己破産の概要
- ✅ 3. 同時廃止とは
- ✅ 4. 管財事件とは
- ✅ 5. 同時廃止と管財事件の比較
- ✅ 6. 手続きの流れ
- ✅ 7. 振り分け基準と注意点
- ✅ 8. まとめ
📌 1. はじめに
自己破産は、借金の返済が困難になった場合に、裁判所に申し立てを行い、借金の支払い義務を免除してもらう法的手続きです。
「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、債務者の財産状況や借金の原因などによって、どちらの手続きになるかが決まります。
📌 2. 自己破産の概要
自己破産は、債務者が支払不能に陥った場合に、裁判所に申し立てを行い、借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
自己破産の目的は、債務者を借金の苦しみから解放し、経済的な立ち直りの機会を与えることにあります。
📌 3. 同時廃止とは
同時廃止は、債務者に債権者に配当するほどの財産がなく、免責不許可事由もない場合に適用される手続きです。
破産手続開始決定と同時に終了するため、手続きが簡略化され、費用や期間の負担が少なくなります。
同時廃止の要件:
- 債務者が個人であること。
- 債務者に一定の額を超える財産がないこと。
- 免責不許可事由がないこと。
同時廃止のメリット:
- 費用負担が少ない(裁判所に納める費用は2万円以内)。
- 手続き期間が短い(約3〜6ヶ月で完了)。
- 破産管財人が選任されないため、手続きが簡略化される。
📌 4. 管財事件とは
管財事件は、債務者に一定以上の財産がある場合や、免責不許可事由がある場合に適用されます。
破産管財人が財産を調査・換価し、配当や免責調査を行います。
管財事件の特徴:
- 破産管財人が選任される。
- 債務者は破産管財人と面談を行う必要がある(東京地裁では開始決定前に実施)。
- 債権者集会が開催される。債務者の出席義務がある。
- 手続き期間が長く、費用も高額になる(予納金は最低20万円程度)。
📌 5. 同時廃止と管財事件の比較
項目 | 同時廃止 | 管財事件 |
---|---|---|
財産の有無 | なし(一定額以下) | あり(一定額以上) |
免責不許可事由 | なし | あり |
破産管財人 | 選任されない | 選任される |
費用 | 約1万5千円程度 | 最低20万円程度 |
手続き期間 | 約3〜6ヶ月 | 約6ヶ月〜1年 |
債権者集会 | 開催されない | 開催される |
手続きの複雑さ | 簡易 | 複雑 |
📌 6. 手続きの流れ
同時廃止の流れ:
- 弁護士への相談・依頼。
- 必要書類の準備。
- 裁判所への申立て。
- 破産手続開始決定・同時廃止決定。
- 免責審尋。
- 免責許可決定。
管財事件の流れ:
- 弁護士への相談・依頼。
- 必要書類の準備。
- 裁判所への申立て。破産管財人と面談。
- 破産手続開始決定。
- 破産管財人の選任。
- 必要に応じて破産管財人との面談。
- 債権者集会の開催。
- 免責審尋。
- 免責許可決定。
📌 7. 振り分け基準と注意点
同時廃止か管財事件かの選定は、裁判所が財産状況や免責不許可事由の有無を総合的に判断して決定します。
- 20万円以上の財産がある場合、管財事件になる可能性が高い。
- 免責不許可事由(ギャンブルや浪費など)がある場合、管財事件になる可能性が高い。
- 法人の場合は必ず管財事件。
📌 8. まとめ
自己破産の手続きには、「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、債務者の財産状況や借金の原因によって決まります。
同時廃止は手続きが簡略化され、費用も少ないため、可能であれば目指すべきです。
一方で、財産が一定以上ある場合や免責不許可事由がある場合には管財事件となり、手続きが複雑・高額になります。
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