離婚の公正証書はどのように作成すればよいのでしょうか?

 離婚の合意をする場合、その合意を公正証書とする場合があります。どのようなときに公正証書にした方が良いのかは、以下の記事をご覧ください。

 この記事では、離婚の公正証書を作成する際の手続についてご説明します。

まず、夫婦間で「合意」をする必要がある

 公証人の業務は、既に「合意」された内容を「公正証書」という書面にすることです。公証人は、「公正証書」の文言の作り方などについてはアドバイスをしてくれますが、夫婦間の争いを仲介してくれるわけではありません。夫婦間で「合意」が整っていない場合、公正証書を作成することはできません。

 離婚の公正証書を作成する場合には、まず、「離婚をするのか」「親権を父母のどちらにするのか」「養育費をいくらにするか」「面会交流をどうするのか」「財産分与をいくらにするのか」「年金分割をするのか」などについて合意をしておく必要があります。これらの合意は文書化する必要はありませんが、公証人に合意の内容を説明できるようにしておくことが必要です。文案の作成については、弁護士などの専門家に相談、依頼をすることもできます。

 なお、「離婚をするかどうか」や「離婚の条件」について争いがある場合は、公正役場を利用するのではなく、弁護士に交渉を依頼したり、家庭裁判所の調停手続きを利用することが必要となります。

公証役場にコンタクトをとる

 公証役場は、日本国中、様々な場所にあります。県庁所在地や大きな町に設置されている傾向にあります。公証役場の一覧は、「日本公証人連合会」のウェブサイトで確認することができます。なお、離島などでは、定期的に公証人が出張していることもあります。

 離婚の公正証書を作成する場合に、どの公証役場を利用するかは自由です。裁判所のように管轄は決まっていません。住所などで行くべき公証役場が決定されることはありません。夫婦両名が行きやすい公証役場を選び、利用することができます。

 どの公証役場を利用するかが決まれば、一度、電話などで公証役場に連絡を入れるとスムーズに手続きが進みます。いきなり公証役場に訪問しても、その場で公正証書を完成させることは難しいです。事前に公証役場に連絡を入れて意向を伝えて公正証書の案文を作成してもらうなどすることで、公正証書の作成をスムーズに行うことができます。また、公正証書作成の際には戸籍謄本(全部事項証明書)、写真付き身分証明書、年金手帳(年金分割の合意が含まれている場合)、不動産の固定資産評価証明書(財産分与等で不動産の譲渡が含まれている場合)などの資料が必要となります。公証人に事前に連絡することで、必要資料を教えてもらうことができます。公正証書作成にかかる費用などの情報も事前に教えてもらうことができます。

公正証書作成の手続き

 公正証書を作成するためには、夫婦両名が、予約をした日に、公証人役場に出向く必要があります。写真付き身分証明書及び戸籍謄本など公証人から指示された書類を持参することが必要です。なお、弁護士に公正証書の作成を依頼している場合、委任状を作成することで、本人は公証役場に行かず、弁護士が代理出席をすることができます。

 公証人役場では、夫婦両名が、作成する公正証書の内容に間違いがないか確認します。また、公証人は、出席している夫婦両名に人違いがないか、身分証明書などにより確認します。これらの確認が終了すると、公正証書の作成が完了します。公正証書作成費用を支払い、公正証書の正本などを交付してもらい、公正証書の作成が終了します。

 なお、公正証書を作成しただけでは離婚は成立しません。公正証書作成後、市区町村役場に離婚届を提出する必要があります(公正証書作成前に既に離婚届を提出している場合を除く。)。公正証書とは別に離婚届を作成し、提出することが必要になるのでご注意ください。通常、公正証書の中にどちらが離婚届を提出するか書き込みますので、離婚届を提出する側になった当事者は、速やかに離婚届を市区町村役場に提出するようにして下さい。

 また、年金分割も、公正証書を作成するだけでは分割の手続を完了したことにならず、年金事務所で手続きをする必要があります。年金事務所に公正証書を持参し、必要な手続きをとるようにして下さい。離婚後、2年以内に手続きを完了する必要がありますので、ご注意ください。

 この他にも、運転免許証や通帳の名義変更などの離婚に伴う各種手続きは、公正証書を作成した場合も行うことが必要です。どのような手続きが必要になるかは、以下のリンク先もご覧ください。

公正証書の内容を変更したい場合

 一度公正証書で作成した内容については、元夫婦間の合意があれば変更することも可能です。変更は、必ず公正証書でしなければならないということはありません。ただし、以下の点に注意が必要です。

① 公正証書の中に強制執行の合意が含まれている場合

 養育費の合意をした場合など、公正証書の中に「本証書記載の金銭債務の履行を遅滞したときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した」といった文言が入ることがあります。この文言が入っていると、公正証書に書かれた約束を守らい場合に強制執行の手続を受けてしまう可能性があります。この文言が入っている場合に公正証書の内容を変更する場合は、公正証書を作成し直す、裁判所の調停手続きを利用するなどして、内容を変更した事実を証明する書面を残しておくことが安全です。

② 内容の変更について合意ができない場合

 公正証書で作成した内容についての変更を求めたいが、相手方(元夫又は元妻)がこれに応じてくれない場合、家庭裁判所の調停を利用することが考えられます。公正証書で決めたことは絶対に変更できないということはありません。例えば、養育費については、相手方の合意がない場合でも、「事情の変更」があれば変更が認められるケースがあります。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

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