相続登記が義務化されると聞きました。どのような制度になるのでしょうか?

 相続をしたが相続登記を行わないままになっているなどして、現在の所有者がわからない土地が日本全国にあり、その総面積は九州本土の面積と同じくらいになっていると言われています。このような所有者不明の土地の問題に対応するため、令和3年に民法や不動産登記法が改正され、相続登記が義務化されるなど、ルールが変更されます。

 ここでは、どのようにルールが変わるのか、何をしなければならなくなるのかなどについて、ご説明します。

相続登記の義務化

① 改正前の制度

 法律上、被相続人が亡くなられて相続が発生した後も、遺産分割を行う義務はありません。遺産分割は、いつでも行うことができます(民法907条1項。このルールは改正後も変わりません。)。

 そして、改正前は、相続した不動産の名義を変更する義務はありませんでした。そのため、数代前の方の名義になったままの不動産も多く残っています。通常、不動産の売却などを行わなければ、名義変更をしないことによる不利益はあまりないので、わざわざ手間と費用をかけて名義変更を行うことをしないという事例も多くありました。

② 改正後はどうなるのか

 今回の法律の改正により、令和6年(2024年)4月1日より、相続登記が義務化されることになりました。令和6年4月1日よりも前に発生した相続についても規定の適用がありますので、注意が必要です。

 義務化の具体的な内容は、以下のとおりです。

  • 相続によって不動産を取得した方は、相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
  • 相続人の間で遺産分割が成立し、この遺産分割によって不動産を取得した方は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記の申請をしなければならない。

 これらについて、正当な理由がないのに相続登記を行わなかった場合には、10万円以下の過料(罰金のようなものです。)を科される可能性があります。

 なお、令和6年4月1日よりも前に相続が発生して不動産の取得を知っていた場合や令和6年4月1日よりも前に遺産分割が成立し不動産を取得していた場合、令和6年4月1日から3年以内(=令和9年3月31日まで)に相続登記を行う必要があります。

③ 関連する改正

 相続登記の義務化に伴い、相続登記をしやすくするなどの目的で、あわせて制度の変更が行われています。具体的には、以下のような改正が行われます。

  • 複数人が相続人となり、遺産分割が成立するまでの相続登記について、相続人のうちの1人が、通常よりも簡易な手続きにより、相続登記の申請を行うことができるようになります(相続人申告登記制度。令和6年4月1日から実施。)。
  • 被相続人が、どこに、どのような不動産を所有しているかについて、法務局に申請することにより、一覧化して証明してもらうことができるようになります(所有不動産記録証明制度。令和8年4月までに実施される予定。)。

 また、上記の他にも以下のような改正が行われます。

  • 不動産を所有している方が氏名や住所を変更した場合には、氏名や住所などを変更してから2年以内に住所などの変更登記の申請をしなければならなくなります(令和8年4月までに実施される予定。)。正当な理由なくこれに違反した場合、5万円以下の過料を科される可能性があります。
  • 法務局が、他の公的機関から取得した情報に基づき、(申請がない場合であっても)職権で住所などを変更することができるようになります(令和8年4月までに実施される予定。)。なお、個人の方の情報については、ご本人の了解がある場合に限り、自動的に情報の共有が行われます。
  • DV(家庭内暴力)・ストーカー・児童虐待などの被害者の方が法務局に申し出ることにより、現住所を秘匿できることのできる制度が設けられます(令和6年4月から実施。)。

相続土地の国庫帰属制度

 令和5年4月27日より、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が申請をして、法務大臣が承認をした場合に、その土地を手放して国に納めることを可能とする制度が実施されます。

 この申請をできる方は、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人です。売買など、相続・遺贈以外で土地を取得した方はこの制度を利用できません。土地が共有地である場合には、共有者全員で申請を行う必要があります。申請は法務局で行います。

 なお、全ての土地を引き取ってもらうことができるわけではなく、「通常の管理又は処分をするにあたって過大な費用や労力が必要となる土地」については引き取りの対象外になるとされています。現時点では、更地ではない土地(建物や工作物が設置されている土地)、土壌汚染のある土地、境界がわからない土地、担保権が設定されている土地、他の方が通路などに利用している土地などが対象外になると考えられています。今後、詳細な基準が設定される予定です。

 なお、手続きには費用が必要です。まず、申請をする際に、審査の手数料を収める必要があります。また、引き取りが承認した場合には、その土地の10年分の管理費用を負担金として納める必要があります。詳細な料金は、今後決定される予定です。

その他の改正

 今回の改正では、上記の制度の他にも、所有者不明土地問題への対応として、以下のような制度の改正が行われます。

  • 所有者が不明の土地や管理状態に問題がある土地について、利害関係人からの申立てにより、裁判所が管理人を選ぶ制度が新たにつくられます。
  • 複数の方による共有状態にある不動産について、所在などが不明な方がいらっしゃる場合に、他の共有者が裁判所の決定を受け、その土地の利用などをできるようにする制度が新たにつくられます。
  • 遺産分割について、被相続人の死亡から10年を経過した後は法定相続分によって画一的に処理されることになり、原則として、特別受益や寄与分の主張をすることができなくなります。
  • 隣地の土地の所有者との関係について、民法の規定が一部改正されます。

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